2014年3月28日金曜日

カム・カヌ・カラムの カネアイ 


k-n音の 英語③…

 
 
                         []の銅器銘文
 
 


k-n 英語の 問題点
2回に わたって、k-n 英語の 基本義を さぐり、日本語音や 漢語音との 関連に ついて 考えて きました。辞典で「インド・ヨーロッパ 語根と その 派生語」と されて いるk-n音語に ついて、ひととおり ご紹介できたかと 思います。その ほか にも「古代・中古 英語 以来の k-n音語」が あります ので、このあと とりあげる ことに します。

 

カネを ナラス 姿
前回 ふれた とおり、「語根kan- 派生語hen, chant」、「語根ghans- 派生語goose, gosling」、「語根kwon-cynic, hound, canary」などの 関係を 見て いると、これらの コトバは いずれも もともとトリ・イヌなど動物のナキゴエをまねたもの、つまり擬声語のたぐいからはじまったように思われます。

ただし、擬声語・擬態語 などと いう ばあい、こんどは どこ までが 擬声語で、どこ までが 擬態語か、どこ からが 品詞語か など、ややこしい 問題も でて きます。いま ここで とりあげる よゆうが ありません。

それより もう すこし 身近な 問題に 気づき ました ので、とりあげ させて いただきます。それは、日本語でも ナル ①ナル[]と「②ナル[生・成・為]」が ある ように、英語でも まったく 同一の 音形knollに「①鐘を 鳴らす」と「②小山。円丘」(クネル・ナル[生・成・為]姿)という 二つの 意味用法が ある という こと です。

客観的に 考えて みれば、「鐘が ナル[]」のも、「鐘をknollする」のも、「(地殻変動の 結果) knoll(小山) できる」のも、すべて「(ある種の 運動の 結果)、相応の 現象が 生じる(=ナル[鳴・生・成・為]」という こと です。その点 では、日漢英語音 とも 共通の音韻感覚 語彙が 組織されて いると 考えて よさそう です。

 

K-(カネ・キネ)が ナル[] 姿          
鐘を 撞木で つくと、音が 出ます。そのとき ナル[] のは、鐘か、撞木か?そんな 禅問答の テーマも ある ようですが、ここでは「オト[]=ネ」に つながる k-n 英語を ひろって みました。

gnar  (イヌ・オオカミ などが) ウナル。⇔ガナル。 

gnarl1 ( などが) ウナル。 *<gnar        

gnash(怒りや 苦しみで、歯を)カミナラス。

knap2  コブシで コツコツ たたく。    

knell (人の 死を 告げる)カネ[] []        

knoll2 カネを ナラス。*ナル[生・成・為・鳴]・ノル[] 姿。  



クネクネ・クネル、関節の 姿
人間も ふくめて 動物の 体形は 骨格で ささえられて います。その 骨格を クネらせ、自在に 動かす 装置の カナメ 関節。植物で いえば、木や 竹の フシ[] です。

gnarl2  (木の) 節。コブ。←gnarウナル。   

gnarled  だらけの。<knar節。 ⇔カンセツ[関節]

knack  要領。こつ。 *カナメ・カネアイ。          

knaggy   だらけの。 ⇔カンセツ[関節]。                

knap 小山の 頂上。    

knar  木の節。枝の コブ。 ⇔カンセツ[関節]。        

knickers ヒザ関節の ところで くくる 半ズボン。         

knife ナイフ。*にぎり部分の ある ハモノ。              

knob にぎり。とって。 *関節の 姿。    

knock コツコツ たたく。コブシで たたく。*コブシ[] 関節の かたまり。

knock-knee x字 脚。*ヒザが ブツカル 姿。   

knoll1 小山。円丘。*ナリモノ。 ⇔ナル[生・成・為・鳴]・ノル[]・クネル。       

knop にぎり。とって。*関節の姿。     

knot 結び目。結節。*クネクネ、クネル、関節の姿。  

knuckle 指関節。げんこつ。  ⇔ケン・ゲンgiuanguan。   

 

ネル・コネル 姿
キネ[] ツク・コネル 姿は、やがて アミバリで ツク・ツクネル 姿に 通じます。

knead  コネル。練る。  ⇔コナス・コネル・ツカネル・ツクネル。             

knit  編む。*針で 糸を カミアワセル。カネアワセル。クミアワセル。

 

k-m音とk-n音の クナガイ 
現代では あまり 耳に しない ヤマトコトバに クナグ[] あります。辞典には クナガ[婚合]・クナタブレ(気が 狂って いる 人。クナは カタクナの クナ)などの 項目は
りますが、クナと いう 項目は 見あたり ません。クネクネ ツナガリ ひろがる 地域が []、クネクネ とりカコム 姿の 垣根が クネ 解説されて います から、クナ また

「クネクネ、クネリ ながら、ツナガル もの」。ずばり いっ
て、イザナキが イザナミと ナガイを した ときの 男性器
ことに チガイ ありません。ただ、日本列島に 仏教が
ろまって からは、性に かんする 表現を さける ように なり、クナ・クナグ・クナガイなども 死語に ちかく なった ようです。

k-m, k-n音語に かぎらず、日本語の 本来の 姿を とらえる
ため には、日本語の まわり ある 言語との 比較研究が
要だと 思います。

日漢英 とも k-m音がk-n音と 交替する 現象が みられる
とに ついては、このブログでも とりあげた ことが ありま
す。できれば ご参照 ください。

2013.1.15. 「カム・クム 姿」…漢語音では、カム[]・キ
[]から カン・キン 変化。日本語音では、ミナ[]から
ニナカミサシ[髪刺]から ンザシ 変化。

2013.2.1. 「k-m音の 日本語」…カム[噛・咬] ものが カマ
[鎌・釜]<追記>カマ[] 日本漢字音は レンですが、上
古漢語音gliam、現代漢語音lian。つまり、もと k-l-m
イプ だった ものが、途中で 語頭子音g- 脱落したり、語尾
子音 -m -n 変化したり した コトバです。字形として
は、鎌=「金+音符兼」の 会意兼形声モジ。兼=「二本の
(イネ) 手」の 会意モジ。漢語音は、klamjian。こう
した 事情を 総合して みると、漢語の ケン[] レン[]
などの 語音が、日本語の カム・カヌ・カラム・クル など
カミアイ・クミアイ・カラミあう 語音だった ことが 推察
されます(画像「[]の銅器銘文」は、高明編『古文字類
編』に よる)

2013.2.9. 「k-m音の 英語」・・・Comegameは、カム
[噛・咬]・カミアウ 姿。Gambleは、ガメツイgame
Companyは、クミアウ 仲間。

2013.2.19. 「日漢 k-m音の カミあわせ」…漢語音 キン
[今・衿・襟]は、もと k-m音 かk-n音に 変化した もの。
「フタを して、閉じコメル」姿を 表わす。