2016年6月29日水曜日

ヤ[矢・屋・八・弥・哉]の 系譜 

…日本人の 宇宙観を さぐる… 




0.   はじめに

 前回まで、「地形名と しての タニ[] サワ[]」を
りあげ、t-n s-pが表わす意味(事物の姿)を おいか
けて きました。その中で、あることに 気が つきました。

おなじような 地形を 表わす コトバと して、タニ[] サワ[] ほかにも 同義語が ない だろうかと いう 疑問です。たとえば、カイ[] (カヒ。山と 山の ) []など。

カイ[] ついては、「オオカイ[大峡]」、「ヤマカイ[
]」などの 用例は ありますが、具体的な 地名と しての 用例が 見あたり ません。それに くらべて、ヤ[] つい
ては、クマガヤ[熊谷]・シブヤ[渋谷]・ヒビヤ[日比谷] などの 地名も 成立して います。クマガヤ[熊谷]などに ついては、クマがイ[熊谷] 例も あり、カイ[]との 関係も 考えられ ますが、シブヤ[渋谷]・ヒビヤ[日比谷] などの ばあいは、やはり「ヤ=タニ[] 意識されて いたと 考える ほか ありません。国語辞典にも、[] ならんで、「ヤ[] 項目があります。

 それに しても、どうして ヤと いう 語音が [] 表わ
したり、タニ[] 表わした できるので しょうか? それ
は、古代日本人が タニ[] (山と 山との せまい 空間を はし
もの) 見て、「これは、[] 姿だ」と 感じ とった 
から ちがい ありません。

 そこで わたしは、ヤを はじめ 日本語の ヤ行音に ついて
イズミ流の 戸籍しらべを して みようと 思いたち ました。
縄文時代や 弥生時代に 日本列島に 渡来した 人たちがどんな
コトバを つかって いた のか? 世界各地から おしよせた
来人たちは、どんな コトバで 意思を 通じあった のか?当
時の コトバが、そのごの 日本語に どれくらい けつがれた
のか? 分からない こと ばかりですが、それだけ 新たな
見への 期待が くらみます。

 具体的な 作業と しては、まず []・ヤマ[]・ヤマト[倭・日本]・ヤスミ[安見・八隅]などのコトバをとりあげ、
ヤという音形が どうして これほどの「意味の ひろがり」を
ことに なった のか、考え みたいと 思います。その
うえで、あらためて ヤ行単音節語、ヤ・ユ・ヨを 中心に、
音形と 意味(事物の姿)と 対応関係」を たしかめて
たいと思います。

タニ(t-n)・サハ(s-p)などに くらべ、ヤ・ユ・ヨなど
は、半母音 y-だけが 主役 構成して いる ので、この 作業は、比較的 スムーズに、すっきり すすむ 可能性が あります。

 語彙の 選定や その 意味用法などに ついては、基本的に
時代別・国語大辞典・上代編』(以下、『上代編』と略
称)の 記述に したがい、随時 私見(*印以下の 文句)
加しながら、議論を すすめます。

 ヤ・ユ・ヨ・などの コトバは、ユミ[] [] 先進的
生産利器と して、また 斗武器と して 主役を つとめて
時代に 生まれた コトバかと 思われます。ヤ行音 もつ コトバを 分析する ことで、(その コトバが 生まれた) 当時の 人びとの モノ 見方」(自然観・世界観・宇宙観) さぐる うえで、なにか テガカリを つかむ ことができるか しれません。



1.   あれヤ、これヤ

1.1.       イタヤグシ[痛矢串]は 矢か、串か?

 『記』神武東征の くだりで、トミの ナガスネ彦と 戦ったとき、イツセ命 (神武の )が「御手に イタヤグシ[痛矢串] 負ひたまひき」と 記されて います。イタヤグシ[痛矢串]とは、どんな 矢か?『上代編』には、「痛手を 負わす 矢」と 解説されて いますが、どんな 構造の 矢(串)だった のか、よく 分かり ません。『広辞苑』を 見ても、「ヤクシ[薬司・薬師]」の 項目は ありますが、ヤグシ[矢串』 項目は 見あたり ません。

イタヤグシ[痛矢串]は、クシ[] だった のか?それとも[] だった のか? イタ[痛・板・射手] 用例と 考え あわ
せて みると、それは 弓で 射る 矢では なく、イタ[]
イバを もつ (=矢串)で あり、いいかえれば オノ[]・あ
るいは マサカリ型 武器。さらに いえば、英語の ax (
ノ。マサカリ) 通じる ヤグシ だった かも しれません。



1.2. ヤマトの 語源

 ヤマト とは、どんな 意味の コトバ でしょうか?上代語として、①ヤマト[夜麻登](マ。トは処の意)、②ヤマト[倭・日本・山跡] (日本国) などの 用例が あります。ヤマト
意味用法に ついて、『上代編』の 解説を 見て おきま
しょう。

ヤマト[大和・倭]…日本国。[] ヤマトは、「この ミキ[御酒] わが ミキ ならず、ヤマトなす 大物主の 醸みし ミキ」(崇神紀八年)の 例の ように、もと、大和国の 一部、いまの 奈良県天理市の あたりの 地名で あった のが、「自伊勢還於倭」(景行紀五四年)の ように、いまの 奈良県全体 名称と なり、さらに 日本国全体 呼び名と なったもので ある。

 こうして みると、ヤマトの 語源に ついては、「ヤマト=ヤマ[]+ト[] 構造」と 析する ことでで、一件落着
いう ことに なり そう ですが、わたしは もう 一歩 ふみ
んで、ヤマと いう2音節語に ついても、「ヤ+マの
造」 注目して 分析して みる 必要が あると 考えて いま
す。ここで ヤマ[] かんする 解説も 見て おきましょう。

ヤマ[]…①。山岳。②採木地。③墳墓[] ヤマは、狩りをし、また 木を 切る であり…単なる 山岳・高嶺と いった 地形名 とどまらず、山ノ幸 (生産物) ある 場所 いった ものかと 思われる。 *ヤマ=ヤのマ=[](山ノ幸)をウム[][]



1.3. ヤスミシシと ヤミシシ

 『記』(雄略)の項に、こんな歌が のって います。

 ヤスミシシ わが 大君の 遊ばしし シシ[] ヤミシシ うたき カシコミ[] わが 逃げ 登りし ありをの ハリ[] 木の

 『上代編』の 解説を 見ると;

ヤム[] 病気になる。傷を負う。*「ヤ[矢]ム[生]」=矢を 射こまれた 姿.⇔ヤミシシ[病猪]。

ヤム[] ①とまる。終わる。②やめる。終える。*「ヤ[矢]ム[生]」=矢が射こまれ、トマル(動かなくなる)姿。

ヤミシシ[病猪] 傷を受けた猪。手負いの猪。

ヤスミシシ 枕詞。ワガ[]大君・ワゴ[]大君に かかる。八隅を 知ろしめす 天皇 意で かけたか。[]もとの 意味は 確かで ない。*ヤスミシシ[安見知之] 表記した例もある。もとの意味は、「ヤ[]スミ[]シシ[]」で、「りっぱな [矢・角・牙」を もつシシ[鹿・猪]」の 姿 アヤカル 美称 だったと 考えられる。ただ 時代の 変化と ともに、人々の 意識が 変化し、おなじ 音形の まま、新時代の 意識に あわせて 解釈しなおし、表記しなおした もの だろう。国語辞典や 参考書 などに、この種の 語源解説が とぼしい のは、天皇に かんする こと なので、「不敬の 」に 問われる ことを おそれた ものか。



1.4. トブヤトリの  

 詠嘆の 助詞 して 多用されて いますが、この ヤも
もと []では ないか 考えて います。その 典型的な
して、「トブヤトリの 歌」をご紹介します。ただし、新
説では ありません。『コトダマの 世界…「象形言語説」の
検証』(1991年、社会評論社)の 中で とりあげ、「トブヤ
トリ=飛ブ矢鳥=飛鳥寺」と 解釈すべき だと 提案した
ですが、大方の 承認が えられて いない よう なので、機会
ある ごとに くりかえし 提案して います。

 天平勝報4年(7524月、東大寺 大仏開眼 供養会 おこ
なわれた とき、元興寺から 献歌の 中に つぎの 一首が
りました。

 ミナモト[水源・水元] ノリ[]の興りし トブヤトリ
鳥の寺 献る(東大寺要録).

  仏教が はじめて 日本へ 伝来して から、東大寺の 堂塔建立
大仏建立の 事業が すみ、大仏開眼を むかえる までに
は、長い 年月が かかり ました。その ことを ふくめて、
「日本の 国土で 仏法が 興り はじめた のが 飛鳥地域。その
飛鳥の (元興寺) ら、お祝いの 歌を ささげます」と
歌っ います。飛鳥 かかる 枕詞は、トブトリノ 普通
ですが、ここでは  なぜか トブヤトリ 形に なって いま
す。この ほうが、マトブ・トブトリ・トブヤ・トブヤト
など コトバの ヒビキが 連想し やすく なっています。ま
た、ヤトリ[矢鳥] ついても、ヤト[矢跡] ヤド[矢処・
宿](矢が トマル ころ) ヤドリ[宿] 通じ 感覚
ありそう です。

ヤトリ[矢鳥]と ヤドリ[宿] 対応関係に ついては、  仏教の 伝道戦略との 関連も 考え られます。仏法が トリに 変身すれば、世界中 自由に トビまわり、伝道できます。インドから 中国・朝鮮・日本へと つづく シルクロードは、そのまま 仏教伝道の でもあり、その 途中 各地に 独特の 建築様式を もつ 仏教寺院 建立され ました。その は、仏法布教の ため 宇宙を かける トブヤトリが 新天地に 降り立つ 姿。また、飛び立つ姿。そして は、トブヤトリが おさめ、じっくり すえて 布教活動 すすめる 姿を 表わして います。



2.   ヤ行音が 表わす 意味

ここからは、日本語の ヤ行音 全般 わたって、その 基本義 さぐり、たしかめます。具体的には、ヤ・ユ・ヨなどに ついて、『上代編』の 解説を 紹介しながら、各項、*印以下の 部分で 私見を 述べる ことに します。



2.1.       ヤ音が表わす意味

[](感動) 呼びかけの 語。はやし詞。矢が 飛びこんで くる 姿を 見ての 感動。

[屋・舎](名) 家。具体的な 建造物と しての 家。とりわけ、主要部分で ある 屋根の 意。矢を 組みあわせる ことで、テント状の [屋・舎] できる。

[矢・箭](名)①矢。矢がら・はず・羽・矢じりの 部分から 成る。古く サとも いった。ソチも 同義語 らしい。②車の 輪の こしきから 輪に 向かって 出る 放射状の 棒。矢に たとえて 名づけた もの。ヤと いう 音形 (拗音)は、もと ヤジリの 機能に 注目した 命名 だが、やがて ヤガラ[矢柄]・ヤハズ[矢筈]をもち、弓で 発射される 方式に 変化した ので、ヤ音の 意味用法も それだけ 幅が 広く なった ことが 考えられる。

[八・弥]() ①八。②多数矢は 日常 使う 道具で あり、多数 まとまった 姿で 準備されて いた こと から、矢と いえば 多数の 意と なった。ヨ[]・ヤ[] は、ともに もともと 漠然多数の 意。語尾母音の 交替に より、倍数を 表わす。⇔ヨ[]:ヤ[]。ミ[]:ム[]。ヒ[]:フ[]。 

(接尾語) ヤカ・ラカなどと 同様に、情動性の 体現を 構成するが、用例は 少ない。ヤカは、さらに 接尾語カの 添った もの。

[](副) いよいよ。ますます。イヤ[] 約。「下堅く 夜堅く 取らせ ホダリ 取らす 子」(記。雄略)イヤ[射矢] 飛んで イク 姿。ホダリは、酒を 注ぐ 徳利状の 器。弓で 矢を イル[射・入]姿に 見立てた もの。

(助)

   詠嘆

オシテルヤ[忍照八] 難浪の 小江 万.3886. 河川が つくった 扇状地の 景観が、「矢(河川)が オシデル[押出] 姿」だと 解釈すれば、分かり やすい。 

 アマトブヤ[天飛夜] 鳥にも がもヤ 万. 876アマ[]トブ[][]=トリ[] 姿。

夕づく日 さす 川辺に つくる屋の 形を宜しみ ウベ[] よそりけり。 万. 3820.  「夕づく日 さす 」の ヤは、詠嘆の 助詞と なる まえに、まず「日光・飛ぶ鳥・ヤ[屋・舎]=矢の 姿」と 意識されて いたと 考えられる。そのうえで、ユフ[]・ヤ[]・ヤ[]・ヨロシミ[宜]・ヨソル[] などの ヤ行音 歌いこんだ もの。

   疑問 

茜さす  紫野 ゆき 標野 ゆき 野守は 見ず[] 君が 袖振る 万. .

 荒磯やに 生ふる 玉藻の うち靡き 独り []らむ 吾を 待ち かねて 万. 352.

首を ヨコに 振る・ヨジル 姿。その 心理が 拗音(ヤ行音)を 生んだ とも いえる。               

   反語 

命の 全けむ かぎり 忘れめ[]  いや 日に けには 思ひ 増すとも 万. 595. 「イヤだ」と 反論する 姿。もともと、「イ[][]」の 姿。

 

2.2.       ユ音が 表わす 意味

[] ①湯。熱した 水。②温泉。いで湯。熱線で 清められた 水。

[] ユミ[弓」。単独では 用いられ ない。矢を イル[] 装置。

[] 形状言。接頭語的に 用いられ、斎み 清めた・神聖なの 意を 添えて 美称を なし、また ユユシ・ユマフ・ユマハルなどの 語幹と なる。光線・熱線・矢などで イム・イタメル 姿。

(助動下二動詞 未然形に 接続する。①受身の 意を 表わす。②可能の 意を 表わす。③自発の 意を 表わす。能動・受動・自発は 主観の チガイ。客観的には 同一の 姿。

(助)体言、あるいは 体言に 準じる 語に つく。①動作の 行われる ところ・経過する ところを 表わす。②動作の 起点を 表わす。③手段を 表わす。④比較の 規準と なる 物、あるいは 事柄を 表わす。助詞 (後出) 関連する 語と思われるが、ユ音がどうして この 意味用法に なった のか、不明。漢語 ユ・ユウdiogyou 意味用法と よく 似て いる。



2.3.       ヨ音が 表わす 意味

ヨ[夜]よる。ゆうべに 始まり、あしたに 終わる 暗い 時間の 全部。ヒ[日]の 対。ヨは 複合語を 作る ことが 多く、ヨルは 独立形。ヨイヤミ[宵闇] ヨル[] 時間帯。

太陽が 西方の 山かげに 身を ヨセ[寄]、人も 身を ヨセアイ、ヤスム 時間帯。

(助)より。①体言、あるいは 体言に 準じる 語に つき、動作の 行われる 場所、あるいは経由する 場所を 表わす。②起点を 表わす。③手段を 表わす。④比較される ことがらを 表わす。(助)。

ヨ[代・世]①生涯。命の ある 間。一生。②寿命。とし。よわい。③年代。時代。④世の中。世間。[] 葦・竹等の 節間の 意の ヨと 関係 ある 語で あろう。

ヨ[節]竹や 葦の 茎の、節と 節との 間。竹の フシは、古い [代・世] 到達点で あり、新たな [代・世] 起点でも ある。

ヨ[四]四。複合語 構成に のみ 用いられ、独立形は ヨツ。ヨ[夜・代・世・節]の「くりかえす 姿」から、「漠然多数」の 意味用法が 生まれた ものか。

 形状言。よい さま。形容詞 ヨシの 語幹。

(助)語、あるいは 句の 内容を 指定し、詠嘆 意を 添える。[]ヨは 文中より 文末に 多く 用いられ、意味上 よく 似た ヤは 文末より 文中に 多く 用いられる…ともに、発言内容を 指定して、、相手に もちかける 意味が 中心に ある。四段活用 以外の動詞の 命令形 語尾の ヨも、上代では 活用形の 中に 入れて しまわない 方が よい。「起き」「見」などが 命令形なので ある。すなわち、平叙の 終止法、命令の 終止法を通じて、文を 言い切る ことに ヨが 用いられて いる。



2.4.       ヤ行音の 2音節 動詞

アユ(下二) こぼれ 落ちる。[考」汗や 血の したたり 流れるのを アユと いう 例は、平安時代に 多い…現在の 方言でも、果実などの 熟して 落ちる こと、あるいは 汗や ウミ[]などの 滴り 流れる ことを アエルと いう。動詞 アユは、もと ヤユで、「ヤの姿に なる」、「矢の ように ハシル・ナガレル」ことと 解釈したい。アユ[]は、動詞 アユの 名詞用法。矢の ように サバシル[箭走] 姿の 小魚。アヤ[綾・文]は、「縦横種々の模様。あるいは その 模様を 織り出した 絹織物」。アヤ[]は、「綾織の 技術を もつ 人=中国から 移住・帰化した 人」、アヤヒト とも。

アユ[](下二) 似る。あやかる。矢には さまざまな 種類が あるが、基本的には よく似た 姿で あり、矢の ハタラキも また よく 似て いる。



イユ[] (下二) 病気が なおる。回 復する。ヤマイで けがれた 体が、手術・服薬などに より、イミ・キヨメられる 姿。  ⇔イヤス[]

イユ[] (下二) 射られる。[]動詞 イル[](上一段)に 受身の 助動詞 ユが 結びついて 成立した 語で あろう。*前項の イユ[] ムジュンして いる ように 見えるが、「A B イタメル」姿と いう 点では 一貫して いる。



2.5[] 用例

 上代語の 用例は 見あたり ませんが、『広辞苑』には、ヤ[] ならんで、「ヤ[] たに」 解説されて います。
逆引き広辞苑』から、「~ヤ[]」タイプの 地名 を ひ
ろって ました。

 イタヤ[板谷]・イチガヤ[市ヶ谷]・イヤ[祖谷]・イリヤ[
]・イワヤ[巌谷]・オヂヤ[千谷]・カナヤ[金谷]・カマガ
[鎌ヶ谷]・カリヤ[刈谷]・クマガヤ[熊谷]・コシガヤ[
]サンヤ[山谷]・シオノヤ[塩谷]・シタヤ[下谷]・シブヤ[渋谷]・ジュウイチヤ[十一谷]・セタガヤ[世田谷]・ゾウシ
ガヤ[雑司ヶ谷]・ハトガヤ[鳩ケ谷]・ヒビヤ[日比谷]・フカヤ[深谷]ホドガヤ[保土ヶ谷]・ユヤ[湯谷]・ヨコヤ[横谷]
ヨツヤ[四谷]

全部とは いいませんが、イタヤ[板谷]・イリヤ[入谷]・イワ[巌谷]・クマガヤ[熊谷]ヨコヤ[横谷]・ヨツヤ[四谷]
ど、地形名と 見られる ものが 多数 あります。



2.6.宮川は、もとミヤ[御矢]川か?

クマガヤ[熊谷]・ヨコヤ[横谷]・ヨツヤ[四谷] などが もとも [] イメージを 地形名だったと なると、宮川 なども、もとは ミヤ[御谷・御矢] だった かも しれないと いう ことに なります。たとえば、富山県を 流れる1級河川 神通川の 上代の 呼び名は 不明ですが、上流に 宮川 (岐阜県) ある こと から、これを 神通川の 古称だとする 説も ある ようです。上流地帯の 川は 比較的に 急流です から、ミヤ[御矢・御谷] 呼ばれる のは むしろ 自然な こと。神通川と いう 呼び名は、時代の 流行に あわせて、ミヤガワ[宮川]を、漢語ふうに ホンヤクした ものかと 思われます。



お知らせ

 このあと、「教育・文芸とやま」第22号の 応募原稿 作成などの ことが あり、このブログは、しばらく お休み させて いただきます。どうぞ よろしく お願い します。