t-n音の 英語
英語の
世界で、「t-n音が どんな 意味(事物の 姿)を 表わ
して いるか」、「日本語の
サワ[澤]に 音義 とも 対応する コトバは ないか」しらべて みます。まずは、てっとり早く
入手でき、客観的・合理的で
説得力を
もつ
資料と
して、A.H.D. フロク「IE語根 および その
派生語」の 中から、t-n音 関連の 項目をとりあげる
ことに
します。
t-n音 語根と
その 派生語
このあと、A.H.D. フロク「IE語根 および その 派生語」の中から、t-n音 関連の 項目を とりだし、語根と 派生語との関係を 確認し、あわせて 日本語・漢語の t-n音と 比較してみます。
語根・基本義・派生語の
順に
記述された
ものを
引用しますが、日本語
訳
および
*印
以下の
コメントは
イズミの
責任です。
dent-
(tooth歯) *デンと ツキデル 姿の ナリモノ。
tusk キバ[牙]。*ツキデル モノ。キバ=キ[杵]+
ハ[歯・刃]。
dental 歯の。 *デンと ツキデル モノ。ツナ・ツノに ツナがる 姿。⇔ツノ[角]。
Dandelion タンポポ。*「ライオンの
歯」の
姿
indent¹入りこむ。*~に デーンと ツッコム 姿。
dhu-no-
(enclosed閉ざされ, fortifiedトリデとされた place場所) *ツノ・ツナで 囲む 姿。
down¹下へ 。*高地に ふった 雨が、低地へ 向かって ツキデル 姿。
dune砂丘。*砂の 集団が ツナミの ように ツキデル・ノビル・ツナガル 姿。⇔ツナ[綱]・ツノ[角]・ツネ[常]・ツナミ[津波]。
town下町。*まわりを 丘で かこまれた 平地。農作・加工・交易に
便利な
ところ。
dnghu-
(tongue舌) *ツキデル・ウゴク・ナル
もの。
tongue 舌。*食品の 風味を あじわい、また 音声を 調整する 器官。
language 言語。*tongueで 調整され、発声される もの。語頭子音 l-は t- と交替関係。タツ[立]⇔liep立。タツ[龍] ⇔liung龍。
linguist 言語学者。*tongueが 調整したlanguageを 研究する人。
ten- (to stretch手足を ツキダス、ノバス) ひろげる、⇒うすく、ほそく
する)
tend¹ ~する 傾向が ある。*ある 方向へ むかって、ドンドン ツキススム 姿。
tendon 腱。*骨格筋を 骨に 結びつける 組織。ツキデル・ノビル・ツナガル
姿。
tense¹ 時制。*動詞の 表わす 行為や 状態の 起こる 時や 長さを 示す もの。時=ツキススム もの。
tent¹ テント。*ツキデル・ノビデル 姿の 構造物。また、人が
手足を
ノバス・ネル
ことが
できる
場所。
attend 出席する。*体を
ツキアテル[突当]・ツケル[付・着]姿。
extend ひきのばす。*つよく ツキダス・ノバス
姿。
intend ~する つもりだ。*in + tendの 構造。
pretend ~する フリを する。*pre + tendの 構造。pre- ⇔ハリ[張]・フリ[振]。
tenant テナント。借地人。
*土地に
手を
ノバス(占有)権利を
もつ
人。
tenor テナー 歌手。*高く ツキデル・ノビル
声を
もつ
人。
contain ふくむ。*手で ツナギ とめる、また ツナで 囲む 姿。
continue つづく。 *つぎつぎ ツナグ・ツナガル
姿。
entertain 楽しませる。*のびのび、手足を
ノバス
姿。⇔タノシム。
maintain 維持する。*ツナグ・ツナガル
姿。
obtain 手に いれる。*手をのばして、ツナグ・ツカム
姿。
thin うすい。ほそい。*ふとい
幹に
くらべて、うすい・ほそい
ハ[葉]・トゲ[刺]・シノ篠]などの 姿。⇔シノ[篠]・シノブ[忍]・シナヤカ。
tender¹ やさしい。*やさしく 目くばり する 姿。
tone 音声。*息が つよく フキデル・ナリダス
姿。.
tong- (to think考える, feel感じる) *ハリを
ツキサシ、手ごたえを 見る
姿
thank 感謝(する)。*恩義を
受けた
ことを
感じ、その
お礼を
サシダシ
たいと
願う心情。
think 考える。*ハリ・トゲ・ツノ
などで
ツキサシ、ツクヅク
考える姿。
thought 考え。*動詞thinkの 名詞形。.
<参考> *t-n音語根が 少数だった ことも あり、参考までに t-m音 関連の 項目も ひろって
みました。
dekm- (ten十) *テ[手]を 出して、ツカム・ツカネル
姿。⇔ツカヌ・ツカム・トヲ[十]。
ten 十。* 手を ノバシ、拾い 集める・ツカネル 姿。⇔トヲ[十]。
december 十二月。*もともと「10番目の 月」の 意。
dozen ダース。 *12個を ヒトツカミと する かぞえ 方。
tenth 十番目。
dem- (house家, household家事) *重力を タメル[溜・矯]・トメル[止] 構造。
dome 丸屋根。*家屋の
シンボル。四方八方、重力の
配分に
留意し、さまざまな
danger, damaageの 防止を 考えた 構造。居住者の 生活上、タメイケ[溜池](dam)の 役割を はたす 存在。
domestic 家事の。*丸屋根>家屋>家庭生活(に
かんする
こと)。
danger 危険。*damage を もたらす おそれが ある もの。
domain 領土。*よそ からの 干渉を しりぞけて 領有し、家を 建て、居住できる
土地。
dominate 支配する。*dome、domainを 取得し、維持管理する
こと。
timber 材木。*dome、domainを 建設・補修する ための 基本的な 資材。
deme- (to
constrain強いる, force強いる) *モノ・チカラを
タメル・ツメコム 姿。
tame 飼いならす。*動物の 習性を 一部 タメル[矯]こと。⇔
タム[矯]。
daunt おどす。*「ダメッ」と、大声で
ドナリつける
姿。
adamant 堅い 物質。*一定の 容積に モノが 強制的に アツメられ、タメこまれ、ツメこまれた
姿。⇔タム[溜]・ツム[積・詰]・アツム[集]。
diamond ダイアモンド。*モノが もつ チカラ・エネルギーが
タメこまれた
カタマリ。ヒカリを
アツメ、かがやく
装飾品と
して、また
堅い
モノを
カット
できる
利器として
威力を
もつ。
tem- (to cut切る) *タム[溜・矯]・ツム[摘・積]・トム[止・富]の 姿。
tome 大冊。 *one cutとも いえるが、「内容が 充実して いる」の 意と して、dome, temple, atomなどに 通じる ものが 感じられる。⇔タム[]・ツム[摘]・トム[止・富]。
anatomy 解剖学。 *動物の 肉体を カットし、その 実態を ツキトメル ための 学問。
atom 原子。*常識を 超える 微粒子 だが、常識を 超える チカラ・エネルギーの
タマリ・カタマリ・アツマリ。⇔タム・タマル・カタマル・ツム・ツマル・トム・トマル。
temple¹ 神殿。*俗世間 から 切りはなされた 神聖な 場所。あるいは、胴体 から カット され、頭脳を アツメ、おさめる
頭蓋骨(ドーム型)を 連想させる コトバか。
ここまで、t-n音語根と 派生語との 関係を とりあげ、t-n音 日本語との 対応関係を 考えて
きました。「結論」を
出す
のは、まだまだ
先の
話ですが、この
段階での
所見を まとめて
おきましょう。
①
t-n音語は、「日本語の世界では、ごく少数派」、「漢語の世界では、かなりの多数派」、そして「英語の世界では、比較的少数派」と考えられる。
②
日本語の タニ[谷]に 音義とも ぴたり 対応する 漢語は 見あたらないが、ダンduan段duanは 日本語でも タニ[谷]に あたる 地形名と して 使われて いる。同様に、タニ[谷]に 対応する t-n音英語も 見あたらない 中で、down, townなどは 音義ともかなり 対応して いると いえる。
③
t-n音と t-m音とが 深い 関係を もって いる 点では、日漢英 3言語とも 共通している。
④
単語・音節の 段階では、その 音形が 表わす 意味は、3言語 それぞれに 分かれるが、音素段階 まで 分解すれば、ほとんど
1対1の
対応関係を
示す
ことが
分かる。
Ex. デーンとツキデル姿…タナ・タネ・ツナ・ツノ・トノ:タン[旦]・デン[殿]:dental, down, town, tent.
s-p音の 英語
t-n音 英語と おなじ 要領で、s-p音 英語に ついて、「語根と 派生語の 関係」を 考えて みます。
sep- (to taste味を見る) *サフ[禁・障]・サブ[荒・寂]・サビ[寂・錆]・サハル[触]の 姿か。
sage¹ 賢人。 *さまざまな 味を ききわけ られる 人。
sapient 知恵の ある。* 同上。
savant 学識者。*さまざまな
事物に
サハリ[触]、その サビサビ[寂・錆]・サハリ[障]にも 精通した 人。
savor 風味。⇔サビ[寂]。
savvy 知る。*風味savorが 分かる こと。
insipid 退屈な。*風味の
ない、気の
抜けた
姿。
seue-1 (to give
birth子を産む) *もとは、(精子を)スウ[据](スエル)姿か。
son 息子。*父の遺伝子がスエられている男子。⇔ムスコ(=
ムス[産]コ[子])・サヌ(寝る)・サネ[核](種子)。//ソンsuen孫。
seue-2 (to take
liquid流動食をとる)
soup スープ。*スフ[吸]もの。 ⇔スフ[吸]・スヒモノ[吸物]。
sup² 夕食をとる 。*ディナーではなく、かるい夕食(スフ・ススル ていど)。
sop 食物片を 浸す。 *水に ツケル[漬] 姿。⇔スフ[吸]・ソフ[添]。
sip ちびちび
飲む。*シブル・シボル姿ともいえる。⇔シフ[強]・シブ[渋]・シブル[渋]・シボル[搾]。
suck 吸う。すする。 *suction , succurentと 同系。
soak ひたす。*sopと 同系。
suction 吸引。*suck , succurentと 同系。
succurent 汁気の おおい。 *suck , suctionと 同系。
spe- (to thrive繁栄する, prosperさかえる)
speed スピード。*速度が 速い こと。基本は、スバヤク・ハリダス・フキデル
姿。
despair 絶望。*de-(否定) + spair.
prosper さかえる。*スベスベと 進行する 姿。
spek- (to observe観察する) *目で スヒトル・ハギトル 姿か。
spy スパイ。*ひそかに
見張る
人。⇔スッパ[素破]。
specimen 標本。*観察用の
実物
見本。
spectacle 光景。*見せる もの。
speculate 深く 考える。 *くわしく 観察する 姿。
aspect 様相。外観。*目に
見える
様子。
expect 期待する。*将来の
進展に
期待しながら
見守る
姿。
respect 尊敬する。*あらためて
見直す
姿。
telescope 屈折望遠鏡。*遠い
地点の様相をハギとり、観察できる
装置。
(s)pen- (to drawひきずる, stretchひきのばす, spin糸を つむぐ) *ハナス[放]・ハナレル[離]・ハネル[撥]・ヘナル[隔] 姿。
spend ついやす。*expendと同系。 ⇔ツヒ[遂]・ツヒユ[疲弊・費]・ツヒヤス[費]・ツブ[粒]。
spider クモ。*糸を フキダス(ハネダス・ヒネリダス)虫。
spin 糸を つむぐ。*綿 または マユの 繊維を 引きだし、ヨリ(ヒネリ)を
かけて
糸に
する
こと。⇔
ハネル[撥]・ヒネル[捻]。
spindle 紡錘。 *spinする ための 道具。⇔ヒネリ[捻]。
pansy パンジー。 *ちょっと 気取った(胸を 張った。ハネエリの)姿。⇔ハネル[撥]。
pendant¹ 下げかざり。*ハネダス 姿。
pension¹ 年金。*ヒキノバシ・フロク・ハネ[撥]と して 支給される もの。
expend 消費する。 *引きだして、使い
はたす
姿.
penthouse 屋上架屋。 *ハネダス 姿。
span¹ 広がり。*親指から小指までハネだした幅。,
spend- (to make
an offering提供) *サシダス・ハネル[撥] 姿。
sponsor 保証人。*便宜の
提供を
約束する
人。
spouse 配偶者。*夫婦の
約束を
した
男女。
respond 返事をする。*答えを
サシダス・ハネル[撥] 姿。
sper- (to strewばらまく) *バラまく 姿。
sprawl ばらばらに 広がる。
sprout 芽を だす。*ハリだす
姿。⇔ハル[張・春]。// spring.
spurt ほとばしる。*ハリだす
姿。
spread 広げる。*ハリだす
姿。やがて、スッペリした
姿に
なる。
sperm¹ 精子。*卵子に バラマク もの。
spore 胞子。 *バラマク
もの。
sporadic 散発的に 起こる。 *ハリだす・バラまく
姿。
spray¹ しぶき。*ハリだす・バラまく 姿。
spere-(ankleくるぶし) *ハネル[撥] 、ズバリ ハリ[針]を 刺す
姿。
spur拍車。*馬を 走らせる とき、馬体を ハネつける 装置。⇔スハエ[杖]。
spurnはねつける。
spoor足跡。.*足が 地面を ハネつけた アト。
ここまで、s-p音英語について、語根と 派生語との 関係を とりあげ、s-p音 日本語との 対応関係を 考えて きました。この 段階での 所見をまとめて おきましょう.
①s-p音語は、「日本語の
世界では、上代語の段階でサフ[禁・障]・サブ[荒・寂]・サブ[渋]・シフ(しびれる)・シフ[強]・スフ[吸]・スブ[統]・ソフ[添]などの 2音節動詞が 成立する など、かなりの 多数派 だったと 考えられる。くらべて、漢語の 世界では、シフdiep習// dziep集// セフts’iap妾などを のぞき、まともな
s-p音語と して 採集できた のは、シフsiop渋 1語 だけ。つまり、きびしく
チェックすれば、s-p音 漢語は ごく 少数派と 考えられる。英語の 世界では、どうか? 「s-p音 語根と その 派生語」の 分布状態 から 見て、多数派とは いえないが、t-n音 ほどの 少数派でも なさそうだ。
②日本語 サワ[澤]に 音義とも ぴたり 対応する 英語は 見あたら ない。それだけ 音韻感覚に ズレが ある ことを しめす。ただし、soup(スープ), sop(食物片を 水に ツケル=ソヘル[添]), sip(ちびちび 飲む) などには、日本語の スフ[吸]・ソフ[添]・シブル[渋]などを 連想させる ヒビキが ある。
③s-p-n, s-p-rなど 複雑な 構造を もつ 語に ついては、「s- + p-nの 構造」、「s- + p-rの構造」の ように 解釈する ほうが 分かりやすい かも しれない。Ex. Spray = s- + pray(ハリダス 姿)。
④日本語の シブ[渋]に ついて、「漢語シフsiop>seからの 音訳 からと 思われる」との 説が あり(『学研・漢和大字典』)、注目したいが、漢語と
して
ごく
少数派の
語音だという
点に
留意したい。あわせて、英語音 savor(風味。サビ[寂]), savvy(知る), sip(チビチビ 飲む), soup(スフ もの)などにも 注目したい。
残された 問題
隅田 実 論文「日本列島に
おける、地形用語と
しての
谷
と 沢の 分布…古代民民族の 文化圏との
接点を
さぐる」を
よんで
シゲキを
受け、自分なりの
方法で
その「接点さが
し」に
参加したいと
考えて、「タニ[谷]と サワ[沢]の 基
本義を さぐる」シリーズを はじめました。「古代民族の
文
化圏との
接点」を
議論すると
なれば、なにより
まず
タ
ニ・サワなどの
用語に
ついて
きっちり
チェックして
おく
ことが
必用。そう
しないと、用語の
解釈の
チガイから
議
論が
うまく
かみあわ
なかったり、脱線して
ムダな
議論
に時間を
とられたり
する
おそれが
ある
から
です。
おかげさまで、どうやら
ひととおり、日漢英の
t-n音語と
s-p音語に ついて、その 基本義を
さぐる
ことが
できまし
た。ただ、時間の
制約も
あり、漢語に
ついても、英語
に
ついても、当然
とりあげる
べき
単語で
チェック
できなかった
ものが
多数
あります。わたしの能力不足を
おわび
します。
タニ[谷]や サワ[沢]などの 地形名を 日本各地に もたら
した のは どんな 民族・部族だった のか?そもそも タニ[谷]や サワ[沢]などの コトバ(語音)は、イツ・ダレが、ドンナ 生活(衣・食・住)を する 中で うまれた のか?
いまの ところ、こうした
問題に
たいする
明快な
解答は
まだ
見つかって
いません。しかし、これまでに
とらえた
「t-n, s-p音の 基本義」の ネモトを、さらに もう 一歩 ふ
みこんだ
あたりで、人類語 クラスの 「共通 基本義」が 見えて くる 可能性は あると、ひそかに
期待して
います。しばらく
時間を
いただき、もっと
勉強した
うえで、もういちど この 議論に 参加したいと 考えて います。
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