2016年6月8日水曜日

t-n音と s-p音の 英語

…タニ[谷]と サワ[沢]の 基本義を さぐる (5)…



 
t-n音の 英語
 英語の 世界で、「t-n音が どんな 意味(事物の 姿)を 表わ
して いるか」、「日本語の サワ[澤]に 音義 とも 対応する コトバは ないか」しらべて みます。まずは、てっとり早く
入手でき、客観的・合理的で 説得力を もつ 資料と して、A.H.D. フロク「IE語根 および その 派生語」の 中から、t-n音 関連の 項目をとりあげる ことに します。



t-n音 語根と その 派生語
このあと、A.H.D. フロク「IE語根 および その 派生語」の中から、t-n音 関連の 項目を とりだし、語根と 派生語との関係を 確認し、あわせて 日本語・漢語の t-n音と 比較してみます。

語根・基本義・派生語の 順に 記述された ものを 引用しますが、日本語 訳 および *印 以下の コメントは イズミの 責任です。

dent- (tooth歯)  *デンと ツキデル 姿の ナリモノ。

tusk キバ[牙]。*ツキデル モノ。キバ=キ[杵]+ ハ[歯・刃]。

dental 歯の。 *デンと ツキデル モノ。ツナ・ツノに ツナがる 姿。⇔ツノ[角]。

Dandelion タンポポ。*「ライオンの 歯」の 姿

indent¹入りこむ。*~に デーンと ツッコム 姿。



dhu-no- (enclosed閉ざされ, fortifiedトリデとされた place場所)  *ツノ・ツナで 囲む 姿。

down¹下へ 。*高地に ふった 雨が、低地へ 向かって ツキデル 姿。

dune砂丘。*砂の 集団が ツナミの ように ツキデル・ノビル・ツナガル 姿。⇔ツナ[綱]・ツノ[角]・ツネ[常]・ツナミ[津波]。

town下町。*まわりを 丘で かこまれた 平地。農作・加工・交易に 便利な ところ。



dnghu- (tongue舌)  *ツキデル・ウゴク・ナル もの。

tongue 舌。*食品の 風味を あじわい、また 音声を 調整する 器官。

language  言語。*tongueで 調整され、発声される もの。語頭子音 l-は t- と交替関係。タツ[立]⇔liep立。タツ[龍] ⇔liung龍。

linguist 言語学者。*tongueが 調整したlanguageを 研究する人。



ten- (to stretch手足を ツキダス、ノバス) ひろげる、⇒うすく、ほそく する)

tend¹ ~する 傾向が ある。*ある 方向へ むかって、ドンドン ツキススム 姿。

tendon 腱。*骨格筋を 骨に 結びつける 組織。ツキデル・ノビル・ツナガル 姿。

tense¹  時制。*動詞の 表わす 行為や 状態の 起こる 時や 長さを 示す もの。時=ツキススム もの。

tent¹ テント。*ツキデル・ノビデル 姿の 構造物。また、人が 手足を ノバス・ネル ことが できる 場所。

attend  出席する。*体を ツキアテル[突当]・ツケル[付・着]姿。

extend ひきのばす。*つよく ツキダス・ノバス 姿。

intend  ~する つもりだ。*in + tendの 構造。

pretend  ~する フリを する。*pre + tendの 構造。pre-  ⇔ハリ[張]・フリ[振]。

tenant  テナント。借地人。 *土地に 手を ノバス(占有)権利を もつ 人。

tenor  テナー 歌手。*高く ツキデル・ノビル 声を もつ 人。

contain  ふくむ。*手で ツナギ とめる、また ツナで 囲む 姿。

continue  つづく。 *つぎつぎ ツナグ・ツナガル 姿。

entertain  楽しませる。*のびのび、手足を ノバス 姿。⇔タノシム。

maintain  維持する。*ツナグ・ツナガル 姿。

obtain  手に いれる。*手をのばして、ツナグ・ツカム 姿。

thin  うすい。ほそい。*ふとい 幹に くらべて、うすい・ほそい ハ[葉]・トゲ[刺]・シノ篠]などの 姿。⇔シノ[篠]・シノブ[忍]・シナヤカ。

tender¹  やさしい。*やさしく 目くばり する 姿。

tone  音声。*息が つよく フキデル・ナリダス 姿。.



tong- (to think考える, feel感じる)  *ハリを ツキサシ、手ごたえを 見る 姿

thank  感謝(する)。*恩義を 受けた ことを 感じ、その お礼を サシダシ たいと 願う心情。

think  考える。*ハリ・トゲ・ツノ などで ツキサシ、ツクヅク 考える姿。

thought  考え。*動詞thinkの 名詞形。.



<参考> *t-n音語根が 少数だった ことも あり、参考までに t-m音 関連の 項目も ひろって みました。

dekm- (ten十) *テ[手]を 出して、ツカム・ツカネル 姿。⇔ツカヌ・ツカム・トヲ[十]。

ten  十。* 手を ノバシ、拾い 集める・ツカネル 姿。⇔トヲ[十]。

december  十二月。*もともと「10番目の 月」の 意。

dozen  ダース。 *12個を ヒトツカミと する かぞえ 方。

tenth  十番目。



dem- (house家, household家事)  *重力を タメル[溜・矯]・トメル[止] 構造。

dome  丸屋根。*家屋の シンボル。四方八方、重力の 配分に 留意し、さまざまな danger, damaageの 防止を 考えた 構造。居住者の 生活上、タメイケ[溜池](dam)の 役割を はたす 存在。

domestic  家事の。*丸屋根>家屋>家庭生活(に かんする こと)。

danger  危険。*damage を もたらす おそれが ある もの。

domain  領土。*よそ からの 干渉を しりぞけて 領有し、家を 建て、居住できる 土地。

dominate  支配する。*dome、domainを 取得し、維持管理する こと。

timber  材木。*dome、domainを 建設・補修する ための 基本的な 資材。



deme- (to constrain強いる, force強いる)  *モノ・チカラを タメル・ツメコム 姿。

tame 飼いならす。*動物の 習性を 一部 タメル[矯]こと。⇔ タム[矯]。  

daunt  おどす。*「ダメッ」と、大声で ドナリつける 姿。

adamant  堅い 物質。*一定の 容積に モノが 強制的に アツメられ、タメこまれ、ツメこまれた 姿。⇔タム[溜]・ツム[積・詰]・アツム[集]。

diamond ダイアモンド。*モノが もつ チカラ・エネルギーが タメこまれた カタマリ。ヒカリを アツメ、かがやく 装飾品と して、また 堅い モノを カット できる 利器として 威力を もつ。



tem- (to cut切る)  *タム[溜・矯]・ツム[摘・積]・トム[止・富]の 姿。

tome  大冊。 *one cutとも いえるが、「内容が 充実して いる」の 意と して、dome, temple, atomなどに 通じる ものが 感じられる。⇔タム[]・ツム[摘]・トム[止・富]。

anatomy  解剖学。 *動物の 肉体を カットし、その 実態を ツキトメル ための 学問。

atom  原子。*常識を 超える 微粒子 だが、常識を 超える チカラ・エネルギーの タマリ・カタマリ・アツマリ。⇔タム・タマル・カタマル・ツム・ツマル・トム・トマル。

temple¹  神殿。*俗世間 から 切りはなされた 神聖な 場所。あるいは、胴体 から カット され、頭脳を アツメ、おさめる  頭蓋骨(ドーム型)を 連想させる コトバか。



   ここまで、t-n音語根と 派生語との 関係を とりあげ、t-n音 日本語との 対応関係を 考えて きました。「結論」を 出す のは、まだまだ 先の 話ですが、この 段階での 所見を まとめて おきましょう。

①    t-n音語は、「日本語の世界では、ごく少数派」、「漢語の世界では、かなりの多数派」、そして「英語の世界では、比較的少数派」と考えられる。

②    日本語の タニ[谷]に 音義とも ぴたり 対応する 漢語は 見あたらないが、ダンduan段duanは 日本語でも タニ[谷]に あたる 地形名と して 使われて いる。同様に、タニ[谷]に 対応する t-n音英語も 見あたらない 中で、down, townなどは 音義ともかなり 対応して いると いえる。

③    t-n音と t-m音とが 深い 関係を もって いる 点では、日漢英 3言語とも 共通している。

④    単語・音節の 段階では、その 音形が 表わす 意味は、3言語 それぞれに 分かれるが、音素段階 まで 分解すれば、ほとんど 1対1の 対応関係を 示す ことが 分かる。

Ex. デーンとツキデル姿…タナ・タネ・ツナ・ツノ・トノ:タン[旦]・デン[殿]:dental, down, town, tent.



s-p音の 英語
  t-n音 英語と おなじ 要領で、s-p音 英語に ついて、「語根と 派生語の 関係」を 考えて みます。

sep- (to taste味を見る)  *サフ[禁・障]・サブ[荒・寂]・サビ[寂・錆]・サハル[触]の 姿か。

sage¹  賢人。 *さまざまな 味を ききわけ られる 人。

sapient  知恵の ある。* 同上。

savant  学識者。*さまざまな 事物に サハリ[触]、その サビサビ[寂・錆]・サハリ[障]にも 精通した 人。

savor  風味。⇔サビ[寂]。

savvy  知る。*風味savorが 分かる こと。

insipid  退屈な。*風味の ない、気の 抜けた 姿。



seue-1 (to give birth子を産む) *もとは、(精子を)スウ[据](スエル)姿か。

son  息子。*父の遺伝子がスエられている男子。⇔ムスコ(= ムス[産]コ[子])・サヌ(寝る)・サネ[核](種子)。//ソンsuen孫。



seue-2 (to take liquid流動食をとる)  

soup  スープ。*スフ[吸]もの。  ⇔スフ[吸]・スヒモノ[吸物]。

sup²  夕食をとる 。*ディナーではなく、かるい夕食(スフ・ススル ていど)。

sop  食物片を 浸す。 *水に ツケル[漬] 姿。⇔スフ[吸]・ソフ[添]。

sip  ちびちび 飲む。*シブル・シボル姿ともいえる。⇔シフ[強]・シブ[渋]・シブル[渋]・シボル[搾]。

suck  吸う。すする。 *suction , succurentと 同系。

soak  ひたす。*sopと 同系。

suction  吸引。*suck , succurentと 同系。

succurent  汁気の おおい。 *suck , suctionと 同系。



spe- (to thrive繁栄する, prosperさかえる)

speed スピード。*速度が 速い こと。基本は、スバヤク・ハリダス・フキデル 姿。

despair  絶望。*de-(否定) + spair.

prosper さかえる。*スベスベと 進行する 姿。 



spek- (to observe観察する)  *目で スヒトル・ハギトル 姿か。

spy  スパイ。*ひそかに 見張る 人。⇔スッパ[素破]。

specimen  標本。*観察用の 実物 見本。

spectacle  光景。*見せる もの。

speculate  深く 考える。 *くわしく 観察する 姿。

aspect  様相。外観。*目に 見える 様子。

expect  期待する。*将来の 進展に 期待しながら 見守る 姿。

respect  尊敬する。*あらためて 見直す 姿。

telescope  屈折望遠鏡。*遠い 地点の様相をハギとり、観察できる 装置。



(s)pen- (to drawひきずる, stretchひきのばす, spin糸を つむぐ)  *ハナス[放]・ハナレル[離]・ハネル[撥]・ヘナル[隔] 姿。

spend  ついやす。*expendと同系。 ⇔ツヒ[遂]・ツヒユ[疲弊・費]・ツヒヤス[費]・ツブ[粒]。

spider  クモ。*糸を フキダス(ハネダス・ヒネリダス)虫。

spin  糸を つむぐ。*綿 または マユの 繊維を 引きだし、ヨリ(ヒネリ)を かけて 糸に する こと。⇔ ハネル[撥]・ヒネル[捻]。

spindle  紡錘。 *spinする ための 道具。⇔ヒネリ[捻]。

pansy  パンジー。 *ちょっと 気取った(胸を 張った。ハネエリの)姿。⇔ハネル[撥]。

pendant¹  下げかざり。*ハネダス 姿。

pension¹  年金。*ヒキノバシ・フロク・ハネ[撥]と して 支給される もの。

expend  消費する。 *引きだして、使い はたす 姿.

penthouse  屋上架屋。 *ハネダス 姿。

span¹  広がり。*親指から小指までハネだした幅。,



spend- (to make an offering提供)  *サシダス・ハネル[撥] 姿。

sponsor  保証人。*便宜の 提供を 約束する 人。

spouse  配偶者。*夫婦の 約束を した 男女。

respond  返事をする。*答えを サシダス・ハネル[撥] 姿。



sper- (to strewばらまく)  *バラまく 姿。

sprawl  ばらばらに 広がる。

sprout  芽を だす。*ハリだす 姿。⇔ハル[張・春]。// spring.

spurt  ほとばしる。*ハリだす 姿。

spread  広げる。*ハリだす 姿。やがて、スッペリした 姿に なる。

sperm¹  精子。*卵子に バラマク もの。

spore  胞子。 *バラマク もの。

sporadic  散発的に 起こる。 *ハリだす・バラまく 姿。

spray¹  しぶき。*ハリだす・バラまく 姿。



spere-(ankleくるぶし)  *ハネル[撥] 、ズバリ ハリ[針]を 刺す 姿。

spur拍車。*馬を 走らせる とき、馬体を ハネつける 装置。⇔スハエ[杖]。

spurnはねつける。

spoor足跡。.*足が 地面を ハネつけた アト。



ここまで、s-p音英語について、語根と 派生語との 関係を とりあげ、s-p音 日本語との 対応関係を 考えて きました。この 段階での 所見をまとめて おきましょう.

①s-p音語は、「日本語の 世界では、上代語の段階でサフ[禁・障]・サブ[荒・寂]・サブ[渋]・シフ(しびれる)・シフ[強]・スフ[吸]・スブ[統]・ソフ[添]などの 2音節動詞が 成立する など、かなりの 多数派 だったと 考えられる。くらべて、漢語の 世界では、シフdiep習// dziep集// セフts’iap妾などを のぞき、まともな s-p音語と して 採集できた のは、シフsiop渋 1語 だけ。つまり、きびしく チェックすれば、s-p音 漢語は ごく 少数派と 考えられる。英語の 世界では、どうか? 「s-p音 語根と その 派生語」の 分布状態 から 見て、多数派とは いえないが、t-n音 ほどの 少数派でも なさそうだ。

②日本語 サワ[澤]に 音義とも ぴたり 対応する 英語は 見あたら ない。それだけ 音韻感覚に ズレが ある ことを しめす。ただし、soup(スープ), sop(食物片を 水に ツケル=ソヘル[添]), sip(ちびちび 飲む) などには、日本語の スフ[吸]・ソフ[添]・シブル[渋]などを 連想させる ヒビキが ある。

③s-p-n, s-p-rなど 複雑な 構造を もつ 語に ついては、「s- + p-nの 構造」、「s- + p-rの構造」の ように 解釈する ほうが 分かりやすい かも しれない。Ex. Spray = s- + pray(ハリダス 姿)。

④日本語の シブ[渋]に ついて、「漢語シフsiop>seからの 音訳 からと 思われる」との 説が あり(『学研・漢和大字典』)、注目したいが、漢語と して ごく 少数派の 語音だという 点に 留意したい。あわせて、英語音 savor(風味。サビ[寂]), savvy(知る), sip(チビチビ 飲む), soup(スフ もの)などにも 注目したい。



残された 問題
 隅田 実 論文「日本列島に おける、地形用語と しての 谷
と 沢の 分布…古代民民族の 文化圏との 接点を さぐる」を
よんで シゲキを 受け、自分なりの 方法で その「接点さが
し」に 参加したいと 考えて、「タニ[谷]と サワ[沢]の 基
本義を さぐる」シリーズを はじめました。「古代民族の 文
化圏との 接点」を 議論すると なれば、なにより まず タ
ニ・サワなどの 用語に ついて きっちり チェックして おく
ことが 必用。そう しないと、用語の 解釈の チガイから 議
論が うまく かみあわ なかったり、脱線して ムダな 議論
に時間を とられたり する おそれが ある から です。                                   

 おかげさまで、どうやら ひととおり、日漢英の t-n音語と
s-p音語に ついて、その 基本義を さぐる ことが できまし
た。ただ、時間の 制約も あり、漢語に ついても、英語
に ついても、当然 とりあげる べき 単語で チェック できなかった ものが 多数 あります。わたしの能力不足を おわび します。

 タニ[谷]や サワ[沢]などの 地形名を 日本各地に もたら
した のは どんな 民族・部族だった のか?そもそも タニ[谷]や サワ[沢]などの コトバ(語音)は、イツ・ダレが、ドンナ 生活(衣・食・住)を する 中で うまれた のか?

  いまの ところ、こうした 問題に たいする 明快な 解答は
まだ 見つかって いません。しかし、これまでに とらえた
「t-n, s-p音の 基本義」の ネモトを、さらに もう 一歩 ふ
みこんだ あたりで、人類語 クラスの 「共通 基本義」が 見えて くる 可能性は あると、ひそかに 期待して います。しばらく 時間を いただき、もっと 勉強した うえで、もうい
ちど この 議論に 参加したいと 考えて います。


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