2013年7月8日月曜日

k-r, k-l音の英語 





カラフルで、 キラキラ
k-r音の 日本語・漢語に つづいて、きょうは k-r音の 英語の話を します。いつも 抽象的で 理屈っぽい 話ばかり なので、なにか 目を たのしませて くれる 画像は ないかと考えましたが、なかなか 思いつきません。くるしまぎれに、花びんに 生けた 花の 写真を かかげる ことに しました。

ご近所の 花屋さんで 買って きた 花を、いつもの 花びんに なげこんだ だけですが、この 写真を ながめて いる うちに、いろんな ことに 気づきました。

まず、花びんの 素材が ガラス です。花の 茎が 水に つかって いる 部分は クラ[]く、グレイ です。それと 対照的に、花や 葉の ほうは、赤(クレナイ)・白・黄・緑(グリーン)など、いろいろな ズガラ[図柄]で、カラフル です。ちがった 同士 きびしく キリアイを しながら、全体と して キラキラ、キラめいて います。

そして「こんな 身近な ところに、これだけ おおくの k-r音語が コロがって いた こと」に びっくり しました。

 

ツルが クルルと なく
まずは k-r 擬声語から はじめましょう。日本人の 耳には、カラスの ナキゴエは カーと きこえる ようですが、人に よっては グルグル(ノドを鳴らす声) きこえる そうです。kar 鳴く からkarasuカラスと よばれた のでしょうね。英語では、クロウと きこえる からcrow よばれたと 考えて よさそうです。

ツルの ばあいは どう でしょうか?もちろん、その なきごえを ツルー・ツルルと ききとる ことも できる でしょうが、むしろ ツルッと した 姿(クチバシ・脚など)からの 命名かと 思われます。ナキゴエと しては、やはり クー・クルル くらい でしょう。英語音でcrane 表記される ように なった のも おなじ ような 事情 でしょう。ツルが ツレアイをもとめ、舞い クルウ 姿は、天に むかって 「クレー[]」と 嘆願して いる ようにも 見えます。

 

キレルもの、キラキラ・ギラギラ
 ヤマトコトバの 感覚では、動詞 カル[借・狩] 名詞形が カラ[殻・空]、キル[切・斬・着] 名詞形が キラ[綺羅・雲英]・キレ[切・裂・布]、クル[来・刳・繰・暮] 名詞形が クラ[鞍・倉・蔵・庫] いう ことに なります。キレ味の よい ハモノは、それ 自体 キラキラ・ギラギラ かがやいて 見えます。また、キラれた ほうの キレ・キラも キラめいて見えます。

英語の 世界 でも、にたような感覚が 見られます。

たとえば「ミドリgreen クサgrass グランドground一面に そだってgrow いる」と いう ばあいの g-r音には、「グルグル 動きまわる 姿」(生命力) 感じられます。

また「yellow黄色、gold金、glassガラス、gladたのしい、glowきらめき」などの g-lも、「キラキラ・ギラギラ」、「よく キレル[切・利]」姿を 感じ させる 語音 です。

 

どんな クラスclass クラシ[]
人類と 貝との つきあい には、ながい 歴史が あります。貝の カラは 容器・利器・装飾・楽器 などと して、さらには 貨幣としても 利用されました。古代人が 大量の 貝ガラをすてた 場所を 貝塚と よびます。その カイガラの 状況を 調査する ことに よって、当時の 人々が どんな 貝を 食べて いたか、どんな ガラ[] 貝を どんな ふうに 利用して いたか、つまり、どんな クラスclass[] クラシ[] して いたか、分かって きます。

 

キル ことは、やがて コロス こと
ヤマトコトバの キルは、ふつう [切・斬・伐・着]などと 書きますが、語源と しては 「キ[] 姿に なる」ことと 解釈すべき でしょう。つまり「キネが [] 穀物の カラ[] キル」、「着物を キル」、「火打ち石で 火を キル」などの 姿が 基本です。そう 解釈する ことで、同類の カル[刈る] コル[]との ニュアンスの ちがいを 説明する ことも でき そうです。ただし、上代東北語で「着て いる」を「カル」と した 用例も ある よう ですから、なんとも 断言は できません。

さて、キル 作業の 結果は、コロコロ・コロガル 粒状に なったり(穀物grain)、サイコロ状に なったり します。

また 日本語では、キル ことは、やがて コロス ことに つながります。英語でも 十字架cross かける ことは killコロス ことに つながります。

 

クルクル・クルマ、コロコロ・コロガル
ヤマトコトバの クルマは、「クルの 間」、あるいは「クルム 間」などと 解釈 できます。つまり、まるい ものの まん中を クリぬいて 軸を とおした 構造 です。漢語で いえば [車両]、英語では car, wheelなどと なります。クルマcarは、クルクル・コロコロ・コロガルので、車輪の ない カゴに くらべ、天と ほど 効率が ちがいます。ギリシア・ローマ時代の chariot(一人乗り 軽二輪 戦車)は、いうなれば「クルマwheel 装置 つきの カゴ[篭・駕篭]」。戦場の どんな courseでも、カルガルと コロゲ まわり、運んでcarry くれました。コロゲ まわる 通路が corridor廊下。Chariotなどを つくる 技術者がcarpenter大工 という ことに なります。

 

大地を キル・エグル・クラシ[]
クルマ、carwheel 円盤の 中心を クリぬく技術を 前提に して いますが、人類は もっと むかし から、大地を クル・エグル ことで クラシ[] 立てて きました。

大地を キル・クル。エグル 作業の クリかえし。それがcultivateタガヤス こと。クル・エグル 技術の 精華がculture文化です。

大地を タガヤス 動作は、つまる ところ 手や足、あるいは スキ・クワなどの 回転運動です。その 意味では、クルマ 関連のcycle一回り, bicycle自転車, wheel車輪なども、もとは ヒトの「関節・骨・筋肉の 構造と 機能」の 観測から うまれた コトバと いえるかも しれません。

 

k-r, k-l音英語の 語根と その 派生語
ここまで、k-r, k-l音の 英語に ついて、日本語音と  対照しながら 見て きました。まだまだ 序の口 ですが、きょうは ここ までに して おきます。

もう すこし つっこんで 考えて みたいと 思われる 方には、A.H.D.(アメリカの 遺産・英語辞典) フロク「インド・ヨーロッパ語の 語根と その 派生語」(一覧表)を ご参照 くださるよう おすすめ します。

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