s-k音の 英語を
日漢語と 比較する
これまで、日本語と 漢語のs-k音を とりあげ、双方に
共通する
基本義を
さぐって
きました。今回は
さらに
すすんで
英語の
s-k音を とりあげ、日本語・漢語と 比較し、その 対応関係を さぐる ことに します。
s-k音の 英語は かなり 多数 あります。ここでは、AHD(『アメリカの遺産、英語辞典』)のフロク「インド・ヨーロッパ語根と その 派生語」の 中から 関連項目を ぬきだして 紹介します。IE語根・基本義・派生語の 順に 表示されて います。なお、日本語訳
および
*印
以下の
注釈や
⇔印以下の
語句
などは、引用者
イズミの
責任で
追加記
入しました。ご教示を
おまち
します。
sag- (to seek outさがしだす) seek, sake1(原因。目的), presage(予感), sagacious(機敏な), hegemony(主導権). *サク・サグル・サガス 姿。⇔サク[裂・割]・サガス[捜]・サグル[探]。//サクsak索suo // ソウsiog 捜 sou //
sak- (to sanctify神聖視する) sacred(ささげられた), consecrate(神聖にする), execrate(忌み嫌う), saint(聖人), sanctify.. *サク・サケル・ササゲル 姿。
segh- (to holdもつ。つかむ) epoch(時期), scheme(計画), scholar(学者), scholastic(学者の), school1(学校). *サキ分け、ツカミとる 姿。
sek- (to cut切る) scythe(長柄の草刈りガマ), saw1(のこぎり), sedge(スゲ), Saxon(イングランド人), skin(皮膚), secant(割線), section(切断された部分), insect(昆虫), intersect(交差する), sickle(草刈りガマ). *サク・シク・スク・セク・ソクの
姿。saw1(のこぎり)は、木材を サク[裂・割]・セキワケル 道具。サクdzok 鑿zao(ザクザク 穴を 穿つ ノミ)に 通じる 姿を もつ。⇔セク[堰・塞]・シキル[仕切・頻]・シク[敷]。
sekw-1 (to follow従う) sect(宗派), sequel(続編), sequence(連続), suitor(求婚者), , second2(だい2の), sign(しるし), social(社会の), society(社会), associate(結びつける). *ツギツギ・ツク・ツケル・ツヅク・ツキアウ 姿。また、サク・サケル・シキル[仕切・頻]・シゲル[繁・茂・重]・スク[透・好]・セク 姿。⇔セク[堰・塞・急]・セキ[堰・塞・關・咳]・シキル[仕切・頻]。// ゾクdiuk続xu // ゾクdhiuk 属 zhu //
sekw-2 (to perceive気づく, see見る) see, sight(視界).*サキ分けて 見る、スケ[透]て 見える 姿。⇔フリサケ[振仰] 見る。
sekw-3 (to sayいう, utter声に出す) say, saw2(ことわざ), scold(しかる)。.*セキ止められて いた 息が ツキ出る、スキ[透]出る 姿。⇔セク[堰・急・咳]・セキ[関・咳]。
skand- (to leapとびはねる, climbよじ登る) scan(精査する), scansion(詩の韻律を調べること), ascend(登る), descend(サガル), transcend(超過する), scandal(醜聞), scale2(はかり). *サク[裂・割]・サグ[下・提]・シコ[醜]の 姿。⇔サク[裂・割]・サグ[下・提]・サカル[盛・逆]・サガル[下・懸]・シコ[醜]・スク[鋤・透]・スグ[過・直]・スギル[過]・サカノボル[遡]。
skei- (to cut切る, split裂く) shin1(すね), science(科学), conscious(気づいている), nice(気持のよい), shit(くそ), schism(分裂), shed1(こぼす。流す), sheath(さや), ski(スキー), esquire(~様), squire(郷土の名士)*スッキリ・サキ[裂・割]分ける 姿。
skel1-(to cutサク[裂・割]) shell(貝がら), shale(頁岩), scale1(うろこ), scalp(人間の 頭皮), shield(盾), skill(技能), cutlass(反り身の短剣), shelf(棚板), half(半分), scalpel(解剖刀), sculpture(彫刻). *サク[裂・割] 姿。
sker1 (to cut) shear(切り裂く), share1(分け前), shears(大ばさみ), score(キザミ目), short(短い), shirt(シャツ), skirt(スカート), screen(スクリーン), carnation(カーネーション), carnival(お祭りさわぎ), carrion(死肉), curt(短い), sharp(するどい), scrap1(かけら), scrape(こすり取る), scrub1(ゴシガシこする), shrub1(灌木), screw(ねじ). *スカスカ・スッカリ・スキスキ・スッキリ、サキ[裂・割] 分ける 姿。
sker2- (to turnまわす。まがる, bendまげる) shrink(小さくなる。ちぢむ), ring1(輪), range(幅。範囲), rank1(階級), rink(スケート場), arrange(配置する), ridge(分水嶺), curb(ヘリ石), curve(曲線), crest(トサカ), crepe(クレープ), crisp(縮れる), circle(サークル), search(さがす), crown(王冠).*サク・サガス・サクル・サグル
姿。サク[裂・割]は、もと「サ[箭・矢] + ク[來]の 構造。 ⇔サガス[捜]・サクラ(桜。佐倉。まわし者)・サクル[決]・サグル[探]。// シュクsiok宿・粛su(身を スクメル 姿)// siok縮suo(ちぢむ。スクム)。// ソウsiog捜sou(サガス。サグル)。
sker-3 (excrement排出物, dungくそ) dreck(くそ). *サク[裂・割]・キル[切] 姿
(s)keu- (to cover覆う, conceal隠す) sky(空), scum(薄皮。かす), obscure(はっきりしない), hide2(皮), cuticle(表皮), hose(ホース。靴下), hide1(隠す), hut(小屋)*ウス[薄]カワ[皮]をカブル[被]姿。.
skeud- (to shoot撃つ, chase追跡する, throw投げる) shot1(発射), shut(閉じる), shuttle(シャットル), sheet(シキフ[敷布]), scuttle1(天窓). *空間をツキ通る、スキ通る、シキつめる 姿。
skribh- (to cut切る, separate分ける, siftフルイにかける), scribble(走り書きする), scribe(筆記者), script(手書き), Scripture(聖書), manuscript(写本), subscribe(署名して証明する), transcribe(書き換える). *サキ[裂・割] 分ける 姿。⇔サク[裂・割]。
日漢英s-k音の 対応関係
ここまで、日漢英のs-k音語に ついて、その 基本義を さぐると ともに、3言語 相互間の 対応関係を さぐって みました。まだまだ、ほんの 手さぐり 状態で あり、s-k音語 全部を 把握できて いる わけでも なく、3言語の 音韻比較作業は、これからが 本番と いった ところ です。
それでも、「草の根を
サキ[裂・割] 分けても サガシ[捜sag] だす(seek out)」、「サクラを つかって、サグリを いれる」、「サークルで 話しあって、真実を
サグル(search)」、「ウスク・チイサク・スッキリした 姿の スクリーン」、「旅さきの シュク(siok宿su)では、せまい 部屋で 身を スクメテ 寝る」など、日漢英の s-k音語を チャンポンに して つづって みても、案外 スッキリ・シックリ
意味が
通じる
感じ
です。
これから さき、もっと おおくの 研究者が てわけして 作業できる ように なれば、もっと 客観的・合理的で、説得力の
ある
研究成果が
えられる
ことと、ひそかに
期待して
います。
それでは、みなさま、どうぞ よい お年を おむかえ ください!